海のレジャーが好きな方は、釣りやダイビングを自分の好きなときに楽しみたいと考えるでしょう。その中には、プライベートで使えるボートを購入される方もいます。そして、ボートの保管場所から水辺までボートを運ぶためには、ボートトレーラーが必要です。ボートトレーラーの維持や管理を適切に行うために以下の内容をご紹介します。
今回の記事は、ボートトレーラーを保有している方や、これから保有しようと検討されている方に向けて、是非知っておいてほしい知識が集約されています。ぜひ、参考に読んでください。
大切にしているボートを目的地まで運ぶためには、一般的には公道を利用します。公道を利用するためには、法律で義務づけられている基準を満たしたトレーラーでなければ利用できません。
ボートトレーラーが公道を利用するためには、車検を受け、法的基準を満たす必要があります。車検を受けていないボートトレーラーは、以下のことが発生するでしょう。
それぞれについて、詳しく解説していきます。
車検を受けていないボートトレーラーは、公道を走行できません。念願のボートを購入しても、目的地に運べなければ、ボートは展示品となってしまいます。なぜ車検を受ける必要があるのでしょうか。それは、道路交通法という法律によって、車検がない車両については、公道での走行を禁止しているからです。
ボートトレーラーは、比較的大きなものを牽引して目的地まで運ぶ必要があります。その際に、大きな事故を引き起こさないためにも車検を受けなければなりません。
公道を走行するということは、万が一の事故に備え、保険に加入する必要があります。自分がどんなに気をつけていても防げない交通事故があります。仮に、不運な事故に巻き込まれたとしても、相手方が保険会社に加入している場合には病院の治療代や車の修理費用を自己負担することはありません。
一方で、自分の過失で相手に怪我をさせたときの損害賠償費用について、保険に加入しているトレーラーは、保険を利用することによって保険会社が支払うので、自己負担はありません。
公道を走行することはあらゆる事故に見舞われる可能性があるため、事故や故障などの不慮の事態に備えた保証への加入を強くお勧めします。
ボートトレーラーが車検を受けていないと、罰金だけではなく罰則の対象になる恐れがあります。車検を受けていないボートトレーラーは、道路運送車両法58条の無車検車運行に違反し、それによって点数の減点や6か月以下の懲役または罰金が課されます。さらに、自賠責保険も同様に切れている場合は、90日間の免許停止処分になる恐れがあります。
免許停止処分は、非常に重大な交通違反と言えるでしょう。また、刑事罰として扱われるので「前科」がつきます。つまり、車検を受けていない車は様々な法律に違反することになるので、公道を走る場合には車検を受けるようにしましょう。
車検が取れるボートトレーラーの条件は、以下のとおりです。
ボートトレーラーの種類は、3種類あります。そのため、車検を取るための基準がボートトレーラーの種類で異なります。しかし、ランプやタイヤホイールなどの、点検箇所は車と同様です。ここで注意して頂きたいのは、購入を検討しているボートトレーラーに、どのような車検の項目があるかという点です。車検にかかる費用が変わるので、気をつける必要があります。
ボートトレーラーには、先ほど紹介したとおり、3種類あります。購入したボートサイズによって、購入するボートトレーラは変わるでしょう。では、サイズによって何が変わるのか、3つの項目にまとめました。
それぞれで、長さや重さに注意しなければならないポイントがあるので、それは後ほどご紹介しましょう。また、サイズとは別に一定の重量を超えたときは、「慣性ブレーキ」が義務化しているなど注意すべき内容もあります。
3種類あるボートトレーラーについて表にまとめました。
軽枠トレーラー | 小型枠トレーラー | 人普通枠トレーラー口 | |
---|---|---|---|
ボートの長さ(mm) | 3,400 | 4,700 | 12,000 |
ボートの幅(mm) | 1,480 | 1,700 | 2,500 |
ボートの高さ(mm) | 2,000 | 2,000 | 3,800 |
上記の表をみると、ボートの長さでは軽枠トレーラーと普通枠トレーラーでは約3倍ほど違いがあります。普通枠トレーラーは、他のトレーラーの種類と比べてどの項目においてもサイズが大きいです。 ここで大事なことは、目的を踏まえたトレーラーの大きさをきめることです。大きさや重要によって、税金などのランニングコストが変わってきます。
次に、ボートトレーラーの重量を以下の表にまとめました。
軽枠トレーラー | 小型枠トレーラー | 普通枠トレーラー | |
---|---|---|---|
重量(Kg) | 積載350 | 積載2,000 | 積載3,500 |
ここで注意しなければならないのが、車両総重量になります。車両総重量が750kgを超えた場合は、「慣性ブレーキ」の取り付けと「牽引免許」が必要です。慣性ブレーキとは、牽引自動車がブレーキをかけることにより、トレーラーの慣性が自動車を押し動かし、その力を利用してトレーラーを制御する装置です。
牽引免許を取得する費用は、教習所により料金は異なるものの、約14万円から17万円で教習を受けられます。
ここまでの話で、ボートトレーラーを公道で使用する際には車検が必要だとお伝えしました。しかし、手続きの煩雑さや車検費用が発生します。車検費用も決して安価ではありません。ここからは、車検を取得したボートトレーラーのメリット・デメリットについて、4つの側面から解説していきます。
各それぞれの項目について、解説していきます。
ボートトレーラーの法定点検を取得することにより、法的要件を満たしたボートトレーラーとして認定されます。車検を通過したボートトレーラーは、法令遵守できているため、安全に牽引することが可能です。一方で、車検を通過していないボートトレーラーは法令に違反する可能性があり、公道での走行はできません。
ボートトレーラーの車検は、法的に義務付けられているため、車検を受けないままに公道の走行をすれば、罰金や罰則が発生します。
ボートトレーラーの車検を取得するということは、「安全性が確保」されていることに繋がります。ブレーキやステアリングなどの機能、タイヤやボディーの状態などを点検し、必要な修理やメンテナンスを行います。
しかし車検を受けないのであれば、「安全性」が担保されません。本来防げた事故が防げなくなり、相手に怪我を負わせる可能性があります。一方で、車検を取得した車は安全性を確保することができ、事故にあうリスクを低減できます。
ボートトレーラーの車検費用の内訳は、主に「法定費用」です。法定費用は、ボートトレーラーの種類や地域ごとに違いますが最低でも1万円以上はかかります。法定費用の内訳は、以下のとおりです。
自賠責保険は、年度によって変動があり、重量税についてもボートトレーラーの種類で異なります。つまり、購入する際は将来発生する費用も含めて、検討されることをオススメします。
ボートトレーラーの車検は、一般的な車両と同様の車検を実施しますが、いくつかはボートトレーラー独自のチェック項目があります。具体的な検査対象は、車両の外観、ブレーキ、ハンドブレーキ、ライト、タイヤなどです。また、ボートトレーラーには、船を運ぶための専用の装備があることを確認する必要があります。
ボート用トレーラーの法定点検をするには、車の車検と同様に、車両を検査するための専門家が必要になります。時間と手間がかかるということは、それだけボートトレーラーの安全性の確保が大切である表れだといえるでしょう。事故を起こしたときの被害を想定し、時間と手間をかけて安全を確保する必要があります。
これまでは、「車検が大事」ということを伝えてきました。車検を取得しないで、ボートトレーラーを保有した場合に「どのような事ができて」、「どのような事ができないのか」についても触れながら解説します。
車検をしないメリットの1つに、費用・手間・時間がかからないことが挙げられます。車検をしないメリットの1つに、費用・手間・時間がかからないことが挙げられます。極端な話をすると、検査を受けなくてもいいので費用も発生しません。「お金がかからない」、「車検の予約をしなくてもいい」など、メリットがあります。しかし、ボート用トレーラーを購入する目的は、自分の好きなときにボートを運びレジャーを楽しむために購入される方が、ほとんどではないでしょうか。
したがって好きなタイミングで、好きな場所にボートを運び、ボートレジャーを楽しむために車検を受けることは大切です。
車検を受けていないボート用トレーラーは、もしものときに、保険が下りない可能性があります。例えば、ボートトレーラーが公道を走行しなくても保有している間に、災害により他人の車や家に損害を与える可能性があります。そうなった場合は、損害賠償を請求されることになるでしょう。
保険に加入していなければ、自己負担で多額の賠償金を支払うことになります。それを防ぐために多くの方は保険に加入します。しかし、任意保険の加入には、車検証が必要です。
損害賠償費を自己負担で支払うのは、あまり現実的ではありません。将来のリスクに備えるためには、保険に加入する必要があります。そのためにも、車検を受けることが望ましいといえるでしょう。
車検を受けていないボートトレーラーは、安全性が確保されていません。なぜ、安全性が確保されてないかというと、ボートトレーラーの構造上、荷台部分が浮いているため、荷重の移動や振動によって疲労が生じやすい特徴があります。また、タイヤの空気圧やブレーキの調整、照明装置などの点検も、走行において重要な項目です。これらの点検やメンテナンスが適切に行われないと、トレーラーの安全性に悪影響を与えます。
したがって車検をうけることと、受けないことの違いは安全性の確保に繫がると言えるでしょう。安全性の確保は、保有している人の安全だけでなく、その周囲の人に危害を与えない点においても重要です。
今回は、ボートトレーラーの車検ありと車検なしの違いについて説明しました。車検は、安心・安全の確保や、長期的にボートトレーラーを愛用するために重要であり、何よりも公道を走行するために必要不可欠であるといえます。また、ボートトレーラーの車検は、時間と手間がかかる一面があります。
一方で、車検なしのボートトレーラーは手間や費用がかかりません。その代償として、万が一のときの事故に備えた保険や安全性が担保できないので、何か起きたときは自分で負担をすることとなります。さらに、車検なしのボートトレーラーは、公道を走れないこともあり、購入したボートも好きな場所に運べません。
つまり、車検を受けているボートトレーラーと車検を受けていないボートトレーラーの違いは、将来の事故リスクに備えた準備ができるかどうかと公道を走れるかが主な違いです。ボートとボートトレーラーを長期的に愛用するためにも、ボートトレーラーの購入検討にあたって、車検を受けることを検討してみてはいかがでしょうか。